賃貸の賃料の代理受領について

・賃貸人の義務について賃貸人が第三者との間で代理受領委任契約を締結した場合でも、それによって賃貸人の地位が移転したわけではありませんから、賃貸人には、賃料の受領権以外のすべての権利および義務が帰属します。代理受領権者は、賃料の改訂交渉には無関係です。また、敷金や保証金の返還義務は、依然として賃貸人が負担することになります。・賃借人の義務について賃借人が、第三者を家賃の代理受領権者として承諾した場合には、その代理受領権者に対して家賃を支払えばいいのですが、それにもかかわらず賃質人に対して支払いをしてしまった場合でも、その支払いそのものは有効です。ただし、賃貸人と第三者との間で代理受領に関して締結した委任契約について、賃貸人は代理受領権者の同意なしに委任を解除しないこと、弁済の受領は代理受領権者だけが行い、賃貸人は受領しないこと等の特約をしたうえで、賃借人がこの特約を含む委任契約を承諾した場合には、代理受領によって得られる代理受領権者の利益を承認し、正当な理由がなく上記利益を侵害しないという趣旨を包含すると解されますので、賃貸人に賃料を支払った賃借人は、代理受領権者に対して損害賠償義務を負います(東京地裁平成7年12月13日判タ916号158頁)。これは、不法行為とされています。

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